日本に四季があるように、ドイツにも四季があり気温や街の景色だけではなく「食」からも季節の移り変わりを感じることができます。
通常「季節を感じる食」といえば果物やきのこ類をイメージする人が多いと思いますが・・・
私はドイツ生活中、果物などの食材というよりは「お酒や各季節イベントにちなんだお菓子」で季節の移り変わりを感じることが多かったです。
そこで、私が個人的に「これだけは絶対ハズせない!」と感じるドイツの季節を感じる「食」を紹介したいと思います。
クラプフェン(ドーナツ)
クラプフェンはドイツでカーニバルの時期に登場する揚げドーナツのことです。
ドイツ北部では「ベルリーナ」とも呼ばれていて、揚げドーナツに粉砂糖などがまぶされ、中に色々な味のジャムが入っています。
普通のものからピエロの飾りつけがされているものまで見た目も様々。
私の住むデュッセルドルフではカーニバルシーズンしか見かけないのですが・・・
都市によっては通年で売られている都市もあるそうです。
デュッセルドルフでも通年で売られてるのかしら、、?普段パン屋さんへはほとんど行かないので真偽は不明です。。
ドイツのパンには珍しいとてもふわふわした食感で、日本で食べるドーナツというより菓子パンのイメージですが、ドーナツ内部のジャムやクリームがとても美味しく甘党にはたまりません。
クラプフェンはカーニバルシーズンの2月頃からパン屋さんのショーケースに並び始めるため、これが並び始めるとそろそろ冬が終わりに向かっているなと感じられます。
シュパーゲル(ホワイトアスパラ)
シュパーゲルは春限定で市場に出回るホワイトアスパラガスのことで、食べられる時期は毎年4月〜6月24日と決まっています。
そのため、シュパーゲルが出回り始めると完全に春がきたな、と感じられます。
私たち日本人にとってアスパラガスといえば緑色の細いものを想像しますが、シュパーゲルはその名のとおり白いアスパラガスです。
太さも様々で、中にはびっくりするほど太いものまであります。
4月になるとスーパーに並びはじめ、レストランにも季節限定メニューとして登場します。
自宅で食べる場合は我が家はよくクリームシチューにシュパーゲルを入れていました。
レストランで食べるシュパーゲルは本場のレストランで調理されただけあり、自宅で食べるより何倍も美味しかったのでぜひレストランでシュパーゲルのメニューを見たら挑戦してみてください。
フェダーヴァイザー
フェダーヴァイザーは秋限定で市場に出回る発酵途中の白ワインをいいます。
フェダーヴァイザーは秋限定のワインのため、これがスーパーに並び始めると夏の終わりが感じられます。
通常ワインは酵母が除かれているのですが、フェダーヴァイザーは発酵途中のワインのため酵母が残っており、少し白く濁った色味になっていることから「フェダーヴァイザー(白い羽)」と名付けられました。
赤ワインやロゼなどもありますが、白ワインが主流です。
フェダーヴァイザーが飲めるのは毎年9月・10月の2か月ほど。
販売初期は発酵途中のため4%ほどのアルコール度数で、発売後期になると10%を超えワインとして完成されていくため、その味の変化の過程を楽しむことができます。
このフェダーヴァイザー、私たち夫婦は初年度に大ハマり。
今年は発売開始から切らすことなく家に1本常備していました。
販売初期はアルコール度数も低いですし、スーパーで2〜3€ほどで手に入るのでぜひ飲んでみてください。
フェダーヴァイザーは通常レストランには置いていません。
スーパーで購入するか、フェスティバルなどのイベントの屋台で飲むことができます。
また、発酵途中ということで蓋が開いているため横に倒すことができず、お土産として日本に持ち帰ることはできません。
ヴェックマン(人型のパン)
ヴェックマンは人型のパンのことで、11月になるとパン屋さんに並びはじめます。
ヴェックマンをパン屋さんで見かけるとそろそろ本格的に冬の始まりだな、と感じられます。
昔は11月11日(聖マーティンの日)から12月6日(聖ニコラウスの日)までの期間と販売期間が決められていましたが、現在は11月上旬〜クリスマス頃まで少し長い期間販売されるようになりました。
ヴェックマンは日本のパンほどの柔らかさはないのですが、ドイツのパンにしては珍しく少しふわっとした食感のパンです。
ベーシックなのはドライフルーツなどで目が付いているだけのもので、我が家ではシチューやグラタンのお供にしていました。
他にも、チョコレートや砂糖、ナッツでコーティングされたものなど色々な種類のものが売られています。
シュトレン
シュトレンはドイツやオランダでクリスマスに食べられる伝統的な菓子パンです。
クリスマス前のアドベント(待降節、クリスマス前の4週間)の時期に食べられていて、この時期に売り出されるシュトレンは「クリスマスのシュトレン」と呼ばれています。
シュトレンが店頭に並び始めるといよいよクリスマスがやってくるな、という気持ちになります。
シュトレンは洋酒に漬け込んだドライフルーツやナッツ、バターを生地に練り込み、発酵させて焼き上げられます。
販売時は塊で売られており、時間が経つほど味が深まるためアドベントの時期に少しずつスライスしながら食べるという習慣があります。
シュトレンの発祥地はドイツ東部のドレスデン。
ドレスデンには伝統的な味を守るために小麦粉やバター、ドライフルーツの量を細かく規定したレシピがあり、このレシピを忠実に守ったものだけが「ドレスナー・シュトレン」として販売されています。
このドレスデンでは毎年第二アドベントの土曜日に「シュトレンフェスト(シュトレン祭)」が開催されます。
私も一度参加したことがあるのですが、巨大シュトレンが台車に乗せられ街中を練り回るパレードは見ものです!
グリューワイン
ドイツの冬に欠かせないのがグリューワインです。
グリューワインはホットカクテルの一種で、日本ではホットワイン、フランスではヴァン・ショーと呼ばれています。
ホットワインと言ってもただ温かいだけではなく、一般的には赤ワインにオレンジピールやシナモンなどの香辛料と砂糖やシロップを加えて温めたものを言います。
ドイツのクリスマスマーケット ではグリューワインを頼むと大体可愛らしいカップに入れて提供してもらえます。
このグリューワインのカップ、実は持ち帰りOKなんです。
グリューワインカップのデザインは地域や年によって様々で、お土産にもおすすめなのでクリスマスの時期にドイツを訪れる場合はぜひグリューワインカップを集めてみてください!
おわりに
わたしがドイツ生活中、季節を感じていた<食>をいくつか紹介してきました。
地域により季節限定か通年で販売されているかは異なりますが、デュッセルドルフではどれも季節限定のもので、これらが店頭に並び始めると「もうこの季節か~。。あれからもう1年経ったのね!」としみじみと感じられます。
日本へのお土産にできるものはシュトレンとグリューワインのカップくらいですが、その分特別感が感じられると思います。
ドイツ滞在中に見かけたらぜひ「季節限定の<食>」を楽しんでください!