となったとき、あなたはすぐ”単身赴任”か”駐在帯同”か決められますか?
単身赴任ということは、家族がバラバラに暮らすということです。
駐在帯同ということは、休職・退職どちらにしろ妻は今までのキャリアを中断し、異国の地で主婦として暮らすということです。
※夫側の会社の規定、VISAの関係、妻の語学能力により働ける場合も稀にあります。
そんな”究極の選択”とも思えるような選択、すぐに答えが出せるものではないですよね。
そこで、このページでは
- 私が思う単身赴任・駐在帯同のメリット・デメリット
- どちらか決める前に考えておきたい5つの項目
- 私が駐在帯同を決めた理由
を紹介していきます。
単身赴任か、駐在帯同かなかなか決められない!という方はぜひ参考にしてみてください。
もくじ
単身赴任のメリット・デメリット
まず、単身赴任のメリット・デメリットについて見ていきます。
単身赴任のメリット
まず、単身赴任のメリットとしては以下の3つが挙げられます。
- 妻のキャリアが続く
- 世帯収入が上がる
- 相手の大切さをより強く感じられる
駐在妻のキャリアというのは、最近色々なところで問題視されていますよね。
もともと日本にいたときも専業主婦だったという場合は別です。
しかし、女性の社会進出が話題になっている今、バリバリキャリアを積んでいる方・仕事を楽しんでいる方も多いと思います。
夫の海外赴任に帯同する場合は休職、最悪の場合は退職しなければならないのが現状です。
そこで単身赴任してもらうことにすると、妻のキャリアが続き、世帯収入も維持もしくは夫側の駐在手当がつく場合は世帯収入が上がるというメリットがあります。
また、離れていることで”相手の大切さ”をより強く感じられる場合もありますよね。
単身赴任のデメリット
単身赴任のデメリットとしては以下の4つが挙げられます。
- お互いに寂しい
- お互いの心が離れてしまう可能性がある
- 最悪の場合異性問題が発生する可能性が高い
- 生活費が倍になる
駐在帯同を選ぶ人の多くが感じている「寂しい」「お互いの心が離れてしまう可能性」です。
まず子供がいない家庭の場合、夫側は見知らぬ土地に一人きりで寂しさを感じやすいです。
また、妻側も実家にいる場合は別ですが、結婚しているのに一人暮らしのような生活になってしまいます。
一方、子供がいる場合は、夫側は妻・子供となかなか会えずより寂しく感じてしまいますし、妻側は子供がいるため寂しさは軽減されますが、ワンオペの苦労が待っています。
また、妻が日本で働いている場合世帯収入が上がるというメリットがありますが、”生活費”は日本と駐在国の2か所分かかるので、場合によってはお金自体はあまり手元に残らない、という可能性も十分にあり得ます。
駐在帯同のメリット・デメリット
次に、駐在帯同のメリット・デメリットについて見ていきます。
駐在帯同のメリット
駐在帯同のメリットとしては以下の3つが挙げられます。
- 家族で一緒にいる時間が守れる
- 家族の絆が深まる
- ”海外生活”という貴重な体験を家族みんなで経験できる
帯同しついていっても夫は残業・接待で全く家に帰ってこない、というパターンも赴任国によってはあり得ます。
しかし、やっぱり同じ家に住んでる・住んでないでは、共有できる時間が全然違います。
また、困難な海外生活を協力して乗り越えたからこそ生まれる絆もありますよね。
”海外生活”や”海外旅行”など、日本に住んでいたらなかなか体験できないような経験を共有できるというのはとても大きなメリットです。
駐在帯同のデメリット
駐在帯同のデメリットとしては以下の3つが挙げられます。
- 妻のキャリアが途絶える
- 世帯収入が下がる場合がある
- 妻子が海外に適応できず病気になる可能性がある
夫の海外赴任に帯同するということは、妻は日本での仕事をいったん休職、または退職する必要があります。
もともとそこまで仕事が好きではなく、できることなら働きたくない、むしろ家事が大好き!という場合は問題ありません。
しかし、仕事にやりがいを感じている場合はそれを無理矢理中断させなければいけません。
休職なら仕事自体は失っていないのでは?と考えられなくもないですが、実務から長期間離れれば離れるほど復職する際の苦労が増えますし、周囲の視線も厳しくなっていきます。
いくら「戻る場所ある」とはいえ、「キャリアの中断」には変わりないですよね。
また、人によっては存在意義の喪失から自信を失い、心の病気になってしまう可能性も十分にあり得ます。
そこで夫側が適切なサポートができれば妻も回復できますが、慣れない地での生活に仕事に、夫側も手一杯な場合はどうでしょうか。
妻が回復するどころか、支えきれずに夫まで病気になってしまう、最悪の場合離婚になるという可能性も十分にあり得ます。
更に子供がいる場合は、子供たちが海外生活に馴染めるかどうかも問題になってきます。
選択する前に考えておきたい5つのコト
ここからは、私が思う”単身赴任か駐在帯同か決める前に考えておきたい5つのこと”について紹介していきます。
自分(駐在妻)の今のキャリアのコト
単身赴任か駐在帯同か、決める前に考えたいことの1つが「自分(駐在妻)の今のキャリア」についてです。
夫に単身赴任をしてもらう場合は今のキャリアは継続できます。
ただし、駐在帯同をするということは、休職にしろ退職にしろキャリアはいったんストップするということになります。
駐在期間は各家庭により様々ですが、数年休職して、戻ったときに仕事にはついていけそうですか?
退職した場合、これまで積み上げてきたキャリアが完全に中断されてしまいますが、受け入れられますか?
駐在期間は決まっていて延長することは絶対にないという場合はいいですが・・・
意図せず5年10年と駐在期間が延びてしまった場合、帰国後に同じ業種で今と同じレベルで今と同じような働き方ができる可能性は低いのが現状です。
次に説明する帰国後のキャリアと一緒に考えてみてください。
自分(駐在妻)の帰国後のキャリアのコト
駐在帯同する場合、本帰国後のキャリアについてもしっかりと考えておきたい項目です。
休職していて復職するだけか、退職してしまったので再就職するかは人により異なります。
しかし、私の知人では2年の駐在予定だったので休職してきたけれど、夫が他国にスライドすることになり、このまま夫と一緒にいる場合は退職せざるを得ないという状況になってしまった人もいます。
(休職制度の最大年数規定により)
休職の場合も、上記のような状況になる可能性があるという前提で本帰国後のキャリアについて今から考えておきたいですね。
また、退職して駐在帯同をする場合、
- 本帰国後も正社員として働きたいか?
- 時短やパート、アルバイトとして働く予定か?
- 正社員として働きたい場合、希望の業種、年収などは?
これらのことも考えておく必要があります。
一度退職して実務を離れた後、同じ業種に再就職して年収もある程度を希望する場合、市場にはどんな求人があって、どんなスキルが自分に足りてないかをあらかじめ把握しておけるといいですね。
これらを把握しておくと、駐在妻生活中にこんな方法でスキルアップをしよう!と海外生活を送るうえでの目標もできるので、現地でやることがなく暇すぎて耐えられないという状況になるのを防げます。
【子供が欲しい夫婦向け】妊娠・出産のコト
子供がいない夫婦や、既に子供はいるけれど2人目、3人目を考えている場合は妊娠・出産についても考えておきたいですね。
単身赴任をしてもらうという場合、夫の駐在期間中に妊娠できる可能性は、帯同している場合と比べかなり低くなってしまいます。
また、仮に妊娠できたとしても、妊娠・出産について物理的に夫の協力は望めないため、すべて一人で対応する必要があります。
両親に頼れるので大丈夫という方はあまり心配はいらないですが、頼れる人がいない場合、一人で受け入れる覚悟はありますか?
駐在帯同をする場合、妊娠できる可能性は高くなりますが、出産はどこで行いますか?
現地での出産を考えている場合、既に現地での出産経験があり色々教えてくれそうな知人はいますか?
また、日本へ里帰り出産する場合は妻の帰国中夫は単身赴任になりますが、問題はないでしょうか?
里帰り出産の際、妻が頼れる場所はありますか?
”子供は授かりもの”とは言いますが、日本にいて「妊娠したら考える」のと、海外生活中の中で「妊娠したら考える」のではわけが違います。
色々考えて結局妊娠しなかった、ということも十分考えられますが、ある程度こんな感じかなとイメージしておいた方が、実際に妊娠したときの負担が全然違います。
例えばドイツでは出産後、数日で退院させられ、その後は”ヘバメ”という助産師さんが家に来て色々教えてくれるというのが出産後の一般的な流れです。
これは、ドイツでの出産をあらかじめイメージして調べておかないと分からない情報ですよね。
また、日本語や英語の通じるヘバメはそこまで多くはないため、ドイツでは妊娠したら出産する病院探しよりまず先にヘバメ探し!とも言われています。
全くなにも知識がなく妊娠してからドイツでの妊娠・出産について調べはじめる場合、
”ヘバメを探す必要がある”と知った時には既に日本語が話せるヘバメさんは一人もいなかった!
なんてことも十分あり得ます。
自分は英語が全然ダメでドイツ語なんてもってのほか、妊娠した途端に出産後の不安に押しつぶされそう、なんてことになってしまったら、自分も夫も困ってしまいますよね。
子供がほしいと思っているなら、単身赴任か駐在帯同か決める前にこれらのことを考えておくようにしましょう。
【子連れ家族向け】子供の教育のコト
既にある程度の年齢のお子さんがいる場合、”子供の教育”についても最初に考えておくようにしましょう。
夫の駐在先国に日本人学校があれば日本人学校へ行かせるのが一般的かと思います。
しかし、居住都市に日本人学校がない場合はどうしますか?
日本人学校がない場合はインターナショナルスクール、現地校という選択肢があります。
ただし、インターナショナルスクールの場合は学費が高くならないか?本帰国後、日本の学校への入学は可能か?など考えるべき問題がたくさんあります。
また、非英語圏の場合、通わせる学校によって英語を勉強するべきか、現地語を勉強するべきかも変わってきます。
お子さんがある程度大きい場合は現地で通う学校だけでなく、本帰国後の受験などについてもできれば今から考えておきたいですね。
世帯収入のコト
こちらは一般的な日系企業の駐在家庭であればあまり問題はないと思いますが・・・(;・∀・)
我が家は、少し特殊な業界なのでハッキリ言って駐在員の待遇は最悪です。
通常駐在員ならもらえるであろう手当ては何一つありません。家賃すら全額自腹ですよ~(/・ω・)/
また、赴任国の税率により日本のときと手取りが変わらないように給与計算の際ネット保証をしている会社が一般的と思いますが・・・
我が家はそのネット保証がありません。むしろ額面下がってます。
額面下がってるのにドイツの所得税>日本の所得税、更にはなんの手当もなく・・・
私が退職してしまっているため、”世帯収入”でいえば日本にいた頃の2分の1くらいじゃないでしょうか(;・∀・)
子供がいないのでなんとか生活していますが、子供がいたらこんな生活無理ですよね。
きっと子供がいたら私が正社員で働くため夫には単身赴任してもらうと思います。
ここまで酷い待遇の会社は今のところ周りでは聞いたことがないですが・・・
多少手当はあるものの、世間で噂されているような好待遇ではない!という会社もありますよね。
海外生活を始めてからこんなはずじゃなかった!とならないように、単身赴任か駐在帯同か決める前にきちんと夫に待遇面を確認するようにしましょう。
私が退職して駐在帯同した理由
私が仕事を退職して駐在帯同した理由はただ一つ、「家族は一緒にいるべき」と思ったからです。
専業主婦なるということにもちろん抵抗はありましたが、家族が一緒にいること以上に大事なことはないと考え、帯同を決めました。
- 住む場所が日本か海外かの違いだけで特に問題はない
- 数年なら仕事を離れてみるのもありかな
と、あまり”駐在妻生活”の現実を分かっていなかったというのも一つの理由です。
帯同した結果、”駐在妻生活”の現実を知り、渡独した直後は帯同したことをとても後悔しました。
私はついてきてあげたのに!!!
と、喧嘩になるたびに何度夫に言い放ったか数えきれません(/・ω・)/
しかし、それでも鬱にはならず、途中で永久帰国することもなく、なんとかやってこれています。
これがもし単身赴任してもらっていたら・・・と考えると、最悪分かれていた可能性が高いので過去の自分の選択は間違ってはいないと現在思えています。
私が、距離が離れること自体は問題ないのですが、物理的な距離と同時に心も離れてしまうタイプなんですよね~(;・∀・)
もちろん、家庭も大事だけど仕事だけは譲れない人、離れていても大丈夫な人、様々だと思います。
別記事で、「私が個人的に思う”駐在妻生活を楽しめる人の特徴”」や「駐在妻が平日できること」などをまとめています。
これらを参考にしていただき、帯同するということはこんな感じの生活になるのかな?とある程度イメージできたうえで単身赴任か帯同かを決めると、後々の辛さも軽減できるのではないかと思います。
まとめ:絶対に後悔したくないことを優先させよう
ここまで、メリット・デメリットや単身赴任か駐在帯同か決める前に考えておきたいことを色々お伝えしてきました。
ただ、一つ言えることは
単身赴任、駐在帯同どちらを選んでも必ず後悔する
ということです。
「後悔」の度合いは異なりますが、きっと必ず後悔します。
私は後悔しました。
もともと単身赴任か、駐在帯同か一切迷わなかった!という人は別ですよ~(;・∀・)
”迷った末の結論”、というのは(優先順位をつけた結果)何かを諦めたからこそ出た結論だと私は思っています。
そのため、諦めたものへの思い入れが強ければ強いほど後悔は大きくなります。
どちらを選んでも後悔するんです。
なので、「●●では絶対に後悔したくない!」とより強く思う方を優先させましょう。
何があっても仕事だけは後悔したくない
そう思うのであれば、旦那さんに正直に話して単身赴任してもらうのも一つの選択肢です。
夫との時間、家族の在り方についてだけは後悔したくない
そう思うのであれば、いったんキャリアを中断させ、新しい道を探るというのも一つの選択肢です。
キャリアを中断したけれど、本帰国後はもう一度正社員として社会復帰したい!という場合は、駐在帯同することで得られる”まとまった時間”をスキルアップのために有効活用させましょう!