駐在妻生活をはじめて、そんな風に感じることはありませんか?
私は夫の海外赴任に帯同し、ドイツで生活を始めて1年以上経っていても数ヶ月に一度、このようなモヤモヤ期が訪れていました。
- 駐在妻は毎日習い事にランチに大忙し
- 華やかなホームパーティーを毎週開催
- 海外旅行に行きまくり
そんなキラキラしたイメージをもたれている駐在妻。
しかし、実際にイメージどおりの生活を送っている方も中にはいますが、駐在妻の半分は当てはまりません。
旦那さんの会社・住んでいる国や地域に関係なく、何かしら悩みを抱えている人も多いです。
私の友人の話によると、実際に
- 奥さんがうつ病になってしまって旦那さんを置いて日本に帰った
- 駐在生活で奥さんがうつ病になり、最終的に離婚してしまった
というケースも結構あるみたいです。
今回は、駐在妻がなぜうつ病になってしまうのか、考えられる原因とうつ病を防ぐために今からできる対応策を考えてみたいと思います。
もくじ
駐在妻が鬱になってしまう理由
駐在妻がうつ病になってしまう原因としては以下の4つが考えられます。
- 耐え難い孤独
- 人間関係のストレス
- 現地の生活への不適応
- 目標・存在意義の喪失
それぞれ詳しくみていきましょう。
駐在妻生活は孤独
駐在妻生活は基本的には孤独です。
一言で「孤独」といっても人により孤独を感じる状況は異なります。
では、どんな状況で「孤独」を感じてしまうのでしょうか。
友達がいない
そもそも友達がいないというケースが考えられます。
旦那さんの会社によっては駐在妻コミュニティーのある会社もありますが、そこで出会った人は「友達」と言えるでしょうか?
気の合う人を見つけられればいいですが、何か失敗をしたら夫の人生に響くかも?と思うと、なかなか心を開くことができません。
語学学校や習い事に通えば友達を作る機会も増えますが、友達って「作ろう!」と思って作るものでもないですよね。
子供同士であれば友達になるのも早いですが、社会に出て結婚して、と大人になればなるほど新しい友達を作るのは難しいのが現実です。
もともと一人が好きな人であれば問題ないですが、そうでない場合は孤独を感じてしまいます。
心から信頼できる友達ができない
友達はいるけれど、心から信頼できる友達がいないという場合も考えられます。
私は、日本にいたころは損得考えず、ちょっと迷惑をかけても笑って流してくれる。一緒にバカなこともできて、自分のだらしない部分も見せあえる友達が何人かいました。
ドイツ生活を始めてから出会った友達も少ないですが、何人かはいます。
ただ、「なんでも話せて心から信頼し合っているか?」といわれれば分かりません。
期間は関係ないとはいいますが、やっぱり10年来の友達と数ヶ月前に出会った友達、信頼度合いは違ってきますよね。
日本にいる友達グループからの疎外感
これは仕方のないことですが、日本にいたときに仲良しグループがあった場合、強く孤独を感じやすいです。
昔と違い、今ではLINEや無料通話、Skypeなどで簡単に連絡を取り合うことはできます。
それでも、時差があったり、「その場にいるかいないか」では全然違います。
私は日本にいたとき、仲良しグループがあったのですが、ドイツに移住してから疎外感を感じることが多くなりました。
みんなで飲もうよ!となっても私は行くことができません。
最初の頃は、LINEのビデオ電話でみんなが集まっているときに連絡をとり、混ぜてもらったこともありました。
しかし、所詮はビデオ電話です。
電波が悪く切れてしまうこともあれば、後ろの雑音がうるさくて音を聞き取れないことも。
2回目以降は、ビデオ電話で参加する?というお誘いは一切なくなりました。
夫が多忙
日本ほど残業をしている国はない!
そんなことをよく聞きますが、日本と同じくらい残業が必要な国はいくらでもあります。
私の住むドイツは「プライベートを優先する」で有名な国ですが、夫は普通に残業しています。
夜22時頃帰ってくることもあれば、週末出勤することも・・・
まあ、それでも日本にいた頃よりは残業してないんですけどね。
時期にもよりますが、子供がいない駐在妻なんかは旦那さんが忙しい時期は朝から晩まで12時間以上家に一人なことも。
いくら一人が好きな人とはいえ、「孤独」は感じてしまいますよね。
人間関係のストレス
孤独のほか、人間関係のストレスが原因でうつ病になってしまうこともあります。
こちらは、対日本人と対外国人、どちらも考えられます。
駐在妻コミュニティの付き合い
駐在妻コミュニティがある人は、コミュニティ内での人間関係がストレスだという場合があります。
今では昔より少なくなっているとは思いますが、夫の会社関係の人付き合いはやっぱり気を遣ってしまいますよね。
また、子供がいる場合、子供の学校関係の付き合いがストレスになってしまう場合もあります。
私の住むデュッセルドルフには日本人学校があり、基本的には駐在家庭の子供たちは日本人学校に通います。
(ときどきインターや現地校に入れる家庭もありますが・・・)
日本に住んでいても子供関係の人付き合いはありますが、コミュニティの広さが違います。
日本人学校があるのは親としては嬉しい限りですが、コミュニティが狭すぎて変なことはできない!と日々緊張しながら過ごしている人も多いのではないでしょうか。
外国人との価値観の違い
駐在妻は毎日仕事で会社に行く駐在員に比べて、現地の人との接点が多くなります。
日常的に利用するスーパーやドラッグストアでは、当たり前ですが現地の人と接触します。
また、例えば家のどこかが故障して修理が必要になった場合、修理に来る人も現地の人です。
お互い英語が堪能ならまだいいですが、ローカルスーパーの店員さんや修理の人って大体ドイツ語しかできないんですよね。
以前インターフォンが壊れたとき、ドイツ語しか通じない強面の男性が修理に来たことがありました。
こちらは靴を脱ぐ文化はないので、土足でづかづかと家に入ってきて、じっとしているのが苦手なのか?無意味にリビングをぐるぐる歩き回り・・・
Google翻訳を使いながら会話をするもなかなか通じず。
これ、経験した人しか分からないと思いますが、「言葉の通じない自分より一回り以上大きい男性と家の中で2人きり」って相当な恐怖なんですよね。
特に、海外生活を始めてすぐの頃は、修理の人が家に来る前日からイヤすぎて吐き気がしてました。。
その他、日本人の価値観と外国人の価値観はかなり違う部分があるので、その価値観の違いに触れるたびにストレスがたまってしまいます。
現地の生活に馴染めない
もともと海外生活に憧れを持っている人ですら、海外生活に馴染めず日本へ帰国するケースもあります。
では、海外生活に何の憧れもなく、更に自分の意志ではなく夫の海外赴任という理由だけで海外へ移住した人は、現地の生活に馴染めるでしょうか?
余程の海外生活適性を持っている人以外、難しいですよね。
私の住むドイツは「サービス砂漠」といわれている国です。
現地の人すら、「ドイツよりサービスが悪い国なんてこの世にないからね」というくらいです。
日本以下のサービス、もはや最低限の質すら保ってないにも関わらず、チップだけは請求してきます。
また、自然な状態を愛しているのか分かりませんが、基本は「エコ、自然体」です。
エコ、自然体といえば聞こえはいいですが、家には網戸も冷房も換気扇もありません。
電車にも冷房はついていません。
パン屋さんなどでケーキを買ったときはペラペラの袋に入れて渡されるだけなので、倒れないように家まで抱えて帰る必要があります。
日曜・祝日は一部の飲食店を除き、ほぼすべてのお店が閉まります。
宅配はアパートの1階のエントランスに放置されます。(家にいるのに!)
書き出したらきりがないですが、これら日本での生活との「違い」に適応できないと、どんどん気が滅入ってしまいます。
目標の喪失、存在意義の喪失
こちらは、特に日本にいたころバリバリ働いていた人が当てはまります。
専業主婦志望は一切なく、仕事が好き・働きたいという人は注意が必要です。
仕事が好きな人って、専業主婦の生活だと満足できないですよね。
刺激が足りないというか、メリハリがないというか・・・自分の存在意義ってなんだろう?ってなります。
現地で仕事を探したら?という意見もありますが、VISAの関係で働けない、夫の会社の規定で働けない、そもそも夫が働くことに賛成してくれない、現地で働けるほどの語学ができない、など駐在妻が働くためには色々な障壁があります。
日本でバリバリ働いていて、将来有望といわれていた人が駐在妻になった瞬間、収入もゼロ、将来も見えない、日々やることは「料理・洗濯・掃除」だけ。
褒めてくれる人は夫だけ。人によっては夫すら褒めてくれない!ということもあり得ます。
その落差からうつ病になってしまう可能税は十分にあります。
鬱になる前に!今すぐできる対応策
では、駐在妻がうつ病にならないためにはどんな対策が必要でしょうか。
ここからは6つの対応策を詳しくお伝えしていきます。
夫婦で話し合う
まずは夫婦でしっかりと話し合う時間をとりましょう。
自分が今どんな気持ちで、何が不満なのか、旦那さんに正直に話してみてください。
うまく言葉にできなくても、口に出すことで自分の気持ちを整理できることもあります。
また、自分一人で色々悩んでため込むよりは、人に話した方が新しい視点での意見をもらえることもあります。
人に話した方が気持ち自体もスッキリしますよね。
駐在員と駐在妻では立場や直面する問題も違うので、2人でしっかりと話し合うことで、旦那さんも自分の奥さんがどんなことに悩んでいるのかをきちんと知るいいきっかけになります。
私は、一度どうしても日本に帰りたくなったときがあり、夫と話し合う時間を作ってみました。
それまでは自分が何に不満なのか自分でもよく分からず「帰りたい、帰りたい」とだけ言っていたんですよね。
しかし、話し合いの時間を作ったことで、”なぜ帰りたいのか””何が不満なのか”を夫に伝えないと!という思いから、根本的な原因に目を向けることができました。
旦那さんの仕事が忙しいなどもあると思いますが、少しでも時間を見つけて話し合ってみてください。
日本の家族、友人に相談する
日本の家族、友人に話を聞いてもらうのも自分の気持ちを整理するいいきっかけになります。
ここでのポイントは、「自分がどんな言葉を欲しているか」です。
励ましてほしいのか?
大丈夫!と言ってほしいのか?
大変だよね、と共感してほしいのか?
どんな言葉がほしいか考え、確実に欲しい言葉をくれる人に連絡してみてください。
自分がどんな言葉がほしいのか分からないときは、人を変えて相談してみるのもオススメです。
私も親、友人と色々な人に少しずつ連絡をしてみました。
そして、「頑張って」「あなたなら大丈夫」「今は大変だけどそのうち慣れるよ」色んな言葉をもらいました。
でも、どれもしっくりこなかったんですよね。
しかし、あるときふと友達の一人に「私、海外生活無理だわ」と送ったら、
「だろうね」「無理だと思ってた!」「もっと早く帰ってくるかと思ったのに意外と続いてるよね」
と言ってくれたんです。このとき、私は自分の心が軽くなったような気がしました。
そうだよね、私向いてないよね。無理なの当たり前だよね。そう思えたんです。
人によってどんな言葉で心が軽くなるかはそれぞれですので、一度自分の気持ちと向き合ってみて、欲しい言葉をくれそうな人に連絡してみてください。
オンラインカウンセリングを受ける
夫も大変そうだから自分だけが弱音を言ってられない・・・
家族や友達には連絡しづらい。特に親には心配をかけたくない。
そんな人もいると思います。
そんなときは、オンラインカウンセリングを使ってみるというのも一つの手です。
まったくの他人だからこそ、話せることもありますよね。
また、相手はプロなのであなたと同じような状況の方を何人も知っています。
たくさんの人の悩みを聞いてきているからこそできる深いアドバイスもあるかもしれません。
cotreeであれば、海外在住のカウンセラーも在籍しているため、海外生活の悩みについてはより理解してもらえると思います。
海外在住のカウンセラーも在籍。話すのが苦手な人は「書く」相談も可能です。
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一時帰国をする
もうどうしてもここ(現在住んでいる地域)にいるのは無理!!!
そうなってしまったら、今すぐにでもいったん一時帰国してみましょう。
期間は1週間でも1ヵ月でも3ヵ月でもなんでも構いません。
一時帰国をして自分のやりたいことをやりたいだけやってみると、気持ちもスッキリします。
また、一時帰国をしたら、日本にはないその国のよさに気付けるかもしれません。
さらに、一人で一時帰国をすれば夫ともしばらく離れて生活することになります。
結婚してから一度も夫と離れたことがない(数日の出張などで)という場合は、初めて夫と離れてみることで、家族が一緒にいることの重要性を再確認できる場合もあります。
そうなれば、もう少し頑張ってみよう、という気持ちになれるかもしれません。
気分をリフレッシュさせるためにも、ぜひ一時帰国で心を休めてあげてください。
海外旅行を計画してみる
うつ病には「日光を浴びる」こともいい効果があるといわれています。
一人で街を歩きたくない!という場合は、家族での海外旅行を計画してみてください。
長期で休みをとるのが厳しい場合は、日帰り旅行・週末のプチ旅行でも大丈夫です。
自分の好きな国、行ってみたかった国の旅行を計画してるときって気持ちがワクワクしますよね。
ただ、旅行の計画を立てるといってもどうすればいいか分からない!という場合もあると思います。
そんなときは「タウンライフ旅さがし | 海外旅行プランを一括提案」がオススメです。
完全無料で複数の旅行会社へ一括で旅行プランの提案依頼・問い合わせができるので、ぜひ活用してみてください。
メールでのやり取りも可能なため、海外からでも旅行プランの提案依頼は可能です。
タウンライフ旅探しの以来の流れはこちらで詳しく説明しています。
専門家に相談する(病院に行く)
どれも全部ダメだった、どれもやる気がおきない・・・
そんなときは、もしかしたら心の疲れが溜まりに溜まってしまっているかもしれません。
現地の病院に行って、お医者さんに症状を伝えてみてください。
お医者さんは現地であなたと同じような状況になっている駐在妻を何人も知っているかもしれません。
現地ならではの解決方法を聞いてみましょう。
まとめ:もしかして?と思ったら早めの対応を
駐在妻は特に海外生活に馴染めず心も体も疲弊してしまう可能性が高いです。
留学生やワーホリ、国際結婚の方って基本的には「自分の意志」で海外生活を始めてますよね。
国際結婚では「パートナーの意志」の場合もありますが、その場合は”将来海外に住む可能性”を分かった上での選択です。
ただ、駐在妻の場合
”自分は海外への憧れも希望もなく、夫の海外赴任さえなければ海外で生活することはあり得なかった。赴任先や赴任期間も勝手に決められ、選択の自由がない。仕事は好きだし専業主婦になる気もない。でも、家族が一緒にいることを大事にしたいので、泣く泣く仕事を辞めて海外で専業主婦をしている。”
そんなケースがほとんどです。
待遇がよければまだ我慢もできますが、世間でいわれているほどいい待遇ではないなんてことも。
さらに、ただ辛くて話を聞いてほしいだけなのに、「贅沢だ」「旦那さんに感謝しろ」「羨ましい」「努力が足りない」と身近な人から酷い言葉をかけられることもゼロではありません。
そんな状況では、どんなにメンタルの強い人だって心が疲れてしまいますよね。
うつ病になってしまうのは、あなたが弱いからでも努力をしていないからでもありません。
恥ずかしい・情けない・心配をかけたくないと頑張れば頑張るほど心は壊れていってしまいます。
そうなってしまう前に、少しずつ自分の中のモヤモヤを外に吐き出していくようにしましょう。
楽しいことを考えて気持ちを紛らわせたい人は海外旅行の計画がオススメです。
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